© 2015-2019 Fumi Kashiwagi

    仮面の目力


    新国立美術館にて開催中の「イメージの力 ー国立民族学博物館コレクションにさぐる」展に出かけた。

    いつか行きたいと思っていた民博のコレクションが見れるなんて、またとない機会!と思ったのだが、感想としてはやや期待はずれだったかな。私は博物館の薄暗い感じが好きなので、美術館の白い背景に違和感を感じたのかもしれない。テーマ構成の後半が面白くなかったという、個人的な好みだろうか。とにもかくにも、コレクションは民博で見るべしという結論になった。

    この展示において、私の一番のハイライトは、会場を入ってすぐにある、仮面の部屋だ。仮面の多くは、大きな目や大きな口、大きな鼻のいずれかを持っているが、なかでも印象に残るのは目なのだと気づかされる。その目に瞳が描かれるか、否か。そこに私の心は釘づけになった。

    たいていの仮面には、瞳が描かれている。瞳は、視線という方向性を生みだし、仮面を力強い意志をもった存在にする。

    一方で、目があっても、瞳が描かれていない仮面もある。私の心を釘づけにしたのは、こちらの方だ。瞳がなくても、私にはそれが命を持っているものだと思える。でも、どんな意志を携えているかわからないから、薄気味悪い。その仮面の裏には、深い闇が広がっているようで、 底知れぬ恐ろしさを感じる。でも、見ないではいられない、不思議な存在だ。

    瞳を描くことと、何かの意図をもつことは関連するのだろうか。たとえば、達磨には願をかける時に片目に筆を入れるが、同じようなことが仮面にもあるのだろうか。瞳のない仮面が気になってしょうがないのは、意図をもつことが苦手な私を反映しているのだろうかと、ふと思ってしまう。

    #art