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    ただ見る、そして感じる

    December 12, 2011

    「モダン・アート」展を巡るなかで、今までとは作品の見方が違っていることに気づく。

     

    ただ見る、そして感じる。それがとても自然に、スムーズに起きていた。

     

    これまでは、考える、理解するというプロセスも自然に起きていたけれど、今は、それらを脇に置いている自分がいた。少しリラックスして、作品に向き合えるようになったのかもしれない。そんな風にして作品を丁寧に見ていくと、さらに見えてくるもの、感じるものがあって、「これが自分の主観なのだ!」と気づいていくプロセスも面白かった。

     

    たとえば、景色を描くとしたら、ロマン主義、印象派の絵画より、写真作品の方が好きであることに気づいたり。形象主義やキュビズムに、意外と不自由さを感じたり。主観とは実に勝手なものなのだ。

     

    私にとって印象的な作品とは、探索する喜び、発見する喜びを与えてくれるもの。自分のなかに波紋を広げてくれるもの。

     

    アルフォンソ・オッソリオ「母と子」

    アクション・ペインティングの手法で描かれているようだが、とても繊細な作品だと思う。曼荼羅のように緻密でスペイシー。じっと見つめているといろいろなものが見えてくる。本当に飽きない。

    彼はジャクソン・ポロックの友人だったらしい。そのポロックの展示会も来年2月に開催される。

     

    クリフォード・スティル「1950B」

    厚く塗り重ねられた絵の具、色の配置やバランスの妙で、絵のなかにある丸い部分を通して、自分のなかを見せられているような気分になる。キャンバスに描かれた作品なのに、自分の内面にまで立体的に広がってくる恐るべき作品。ぱっと見ただけでは気づかない、魔法のような作品。

    そういえば今月、サザビーズのオークションで、彼の作品が48億円で落札されたらしい。

     

     

    ヘレン・フランケンサーラー「キャニオン」

    下塗りをしていないキャンバスに、薄く溶いた絵の具を染み込ませるステイニングという手法で描かれた作品。

    重ねられていない色が透明感を保ったまま、広がっていく様が美しい。色の響きが感じられる。

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