© 2015-2018 Fumi Kashiwagi

    Please reload

    SEARCH BY TAGS: 

    Please reload

    RECENT POSTS: 

    副作用の効用

    January 18, 2014

     

    この年末年始に京都にあるヴィパッサナー瞑想センターに滞在し、10日間の瞑想コースに参加した。そこで体験したことを自分自身の覚え書きとして残しておこうと思いつつ、2週間近くが過ぎてしまった。

     

    というのも、コースから戻って2日後から体調が思わしくなく、その後、喉の痛みや咳、鼻水、発熱など風邪のような症状が続き、寝込むほどでもないけれど、超低空飛行な日常生活を送っていたからだ。

     

    理由はなんであれ、コース最終日に「これから毎日、1時間は瞑想するぞ」と決意したものの、絵に描いたような3日坊主に終わってしまった。ただ、まったく瞑想の時間を持たなかった訳ではなく、集中していられるわずかな時間だけでも、ただ座るという行為は続けていたので、体調不良の自分を比較的リラックスして受け取められたような気がする。出てくる症状は全体の一部であると、全身が症状を認め、受け入れていることを、感覚を通して理解できたことで、気持ちは穏やかでいられたように思うのだ。

     

    瞑想コースでの体験を振り返る前に、この体調不良の時間に起きた体験も記しておこうと思う。

     

    喉の痛みから始まった不調は、次第に風邪の症状に変わっていき、だらだらと続いていた。風邪のための処方薬を飲み始めたのが、体調が悪化して1週間も経った頃。その薬の副作用として、眠気が出るので、車などの操作をしないようにという注意を受けていた。

     

    その薬の作用たるや、かなり強くて、風邪の症状を抑えるだけでなく、副作用も大きかった。酩酊しているような、脳みそが無重力空間に投げ出されたような、変な浮遊感の中、日々を過ごすことになったのだ。その浮遊感に身を任せて、何もせず、考えもせずにいるだけならば、それはちょっとした恍惚体験となった。しかし、日中は仕事をしているので、その浮遊感から抜け出すために、それなりの集中力を絞り出す必要があった。

     

    感覚に委ねている状態と、それをコントロールして、意識的に行動しようとする状態の間を行き来するのが、ジル・ボルト・テイラーの著書『奇跡の脳』で描かれていた体験に近いものを感じた。実はこの本は知人から、ヴィパッサナーに行くならぜひ読んでほしいと勧められて読んだものだったので、こうして自分の体験と符合していくのが面白くもある。

     

    感覚に素直に自分を預けてしまうと、不思議と満たされるような、幸福感のようなものが溢れてきて、何でも肯定したくなり、人に対してもオープンマインドでいられるような気がした。日頃の自分は、心の中で忙しく物事を判断しているから、そうしたことから解放されることの意味を体験したような感じだ。一方で、常に委ね切ってしまうこと対して、どこからか危険信号が発されているような感じもあり、身体はバランスをとろうと働いてくれているのかもしれないと思うのであった。

     

    そんなこんなで、この文章も、まだ地に足が着いてない浮遊感の中、書いている。いつもの私と少し違っているだろうか?

    Please reload

    Please reload

    ARCHIVE