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    文庫本を鞄に

    September 23, 2014

    最近、久しぶりに文庫本を持ち歩いている。

     

    というのも、気になる男優が「最近は、スマホを見ている人ばかりだが、そんな中で本を読んでいる女性がいると、いいなと思う」という話をしていたので、あまりにも単純だけれど、それを地でやっているわけ。

     

    移動中やちょっとした空き時間は、ipadを触ることが多かったのだが、触れはじめると、必要以上に見てしまうことが多くて、妙な癖がついてしまったと思っていたので、その点でもよいきっかけだったのだ。

     

    家にある本の中からなんとなく選んだのは、ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』。タイトルの脇に、「だれでも読めるが、だれにも読めない書物」とあるように、片手間に読むような本ではないのだけれど、読み始めると、はっとさせられる美しい言葉の数々に、しばし現実逃避してしまう。

     

    没落やら狂気やらの言葉は、単語としては心を寒々とさせるのかもしれないが、ツァラトゥストラの言葉となると、何やら妖しい光を放って心を捉える。その破片を持つ者としては、その光に思わず惹かれてしまうのだ。

     

    人間における偉大なところ、それはかれが橋であって、自己目的ではないということだ。人間において愛さるべきところ、それは、かれが移りゆきであり、没落であるということである。

     

    舞踏する星を産むことができるためには、ひとは自分のなかに混沌を残していなければならない。

     

     

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